今年3月には初となるショッピングモール「アトレアモール照葉」が開業し、都市機能の充実がさらに進んでいる福岡市東区の人工島・アイランドシティ。今回は、まちびらきから10年が経過し、環境や健康をキーワードとしたモデル都市として、次のステージへのさらなる発展が期待されるアイランドシティ・まちづくりエリアの今後の開発計画を紹介する。

体験型商業施設とホテルの複合施設

6月にアイランドシティ・センター地区（7.5ヘクタール）に総事業費約203億円の商業・宿泊の複合施設の計画が発表された。

対象区画は九州最大級の温浴施設「照葉スパリゾート」の北側、総合体育館整備地の西側で、商業施設の「（仮称）ぐりんモール」、宿泊施設（地上14階建て約400室）、駐車場（一般1000台、バス20台）の商業・宿泊の複合施設を計画。モールには、物販店、飲食店のほか、和の体験施設など、京都の町屋をイメージした空間に日本・九州を代表する様々なコンテンツを導入。照葉のまちのコンセプトに合わせ、商業施設はオープンモール形式とし、憩いの場として利用可能な商業施設を目指すとしており、2019年度の開業を予定している。

センター地区に立地するまちづくりの核施設として今後のまちづくりに寄与することが期待されるほか、福岡市内の各施設や機能をバス等の活用により都市高速等でつなぎ、ＭＩＣＥネットワークの形成を目指す。

西鉄が「高齢社会対応型健康ネクストタウン」建設

4月には、西鉄グループが総合力を結集し、多世代がつながる安心･高質の住環境とバス交通拠点が一体となったまちづくりに着手することを発表している。対象区画は「照葉スパリゾート」と「福岡市立こども病院」にはさまれた約4.1ヘクタール。

計画では、地上46階建て、290戸の分譲マンション２棟のほか、賃貸マンション、シニアマンションに加え、コミュニティーセンターを設置し、様々なライフステージの方が集い、つながる多世代コミュニティを創出。周辺医療･福祉機関と連携した健康管理･増進サポートや介護サービス、託児所の設置による子育て支援などの充実したライフサポートの提供や同エリア内での住み替えができる仕組みづくりなどのタウンマネジメントを行うとしている。

数年でまちが大きく変わる

アイランドシティの人口はおよそ7653人、世帯数2544（2016年6月末現在）で、児童の割合が多いことや人口が増加したことで、照葉小中学校の北側に2019年に開校を目指す新設小学校が建設されることが決定している。

また、この新設小学校の北側と西側での超高層複合マンション４棟の建設計画、まちづくりエリア北側の未分譲地での住宅建設により、人口増加は今後も続く。さらには、計画されている商業・宿泊施設や国際大会なども開催できる新たな拠点総合体育館、自動車専用道路などで、新たな人の流れも生まれてくる。これまで住宅地のイメージが強かったアイランドシティ・まちづくりエリアが、今後数年でどのように変化していくか注目したい。