不動産再生のエキスパート集団(株)トリビュート（福岡市博多区）。田中 稔眞社長は、「提供する不動産サービスにおいて他社との差別化や新しい仕組みをつくることをいつも考えています」と話す。

他社との差別化を進める

老朽化した建物、使い道のない相続物件、使いづらい狭小土地などの休眠不動産を取得し、リノベーション、近隣交渉、法的支援、財務処理など、確かなノウハウとネットワークを生かし、市場に求められる社会的に価値ある不動産として甦らせる「不動産再生」で頭角を現してきた(株)トリビュート。

田中稔眞社長は、「今後は、福岡本社と東京支店を拠点に、オーダーメイド仲介や不動産再生代理で、さらなる他社との差別化を進め、それを強みに会社を成長させることはもちろん、不動産事業を通じて社会問題を解決できるような会社にしていきたい」と話す。

「オーダーメイド仲介」とは、簡単に言えば、1対1の不動産コンシェルジュだ。売主（買主）からの情報を精査したのちに適切な買主（売主）とマッチング。取引は必ず売主側1社、買主側1社の米国式で、双方にとってのベストな不動産売買をサポートする。

「双方代理や多数の不動産業者が関係する取引では、売主、買主のどちらかに偏ってしまったり、情報の伝達ミス、時間のロス、情報の真偽が分からないといった不具合がつきものです。そのような旧態依然とした不動産業界の慣習を排除したのがオーダーメイド仲介です」

不動産再生の新しい仕組み「ゼロリース」

同社の不動産再生のノウハウに新しい仕組みを加えた新規事業が「不動産再生代理（ゼロリース）」だ。

老朽化や近隣の新築ラッシュで入居率の低くなったテナントビルを期間を定めて一括借上げ（最小ロットは１００坪〜）し、改修工事などを施し、リーシング（転貸供給）。その際に掛かる費用は、同社が負担する。つまり、オーナーは物件を保有したまま、手出しゼロで最長10年間固定賃料が保証されたうえ、契約期間の終了後には、資産価値の高くなった物件が引き渡される。※再契約も可能。

「これは不動産再生の全く新しい仕組みであり、他社との圧倒的な差別化になる事業です。当然、弊社がリスクを負うことになりますが、それが仕事だと思っています」と田中社長。不動産再生に対する強い自信と想いが込められた同社の新規事業「ゼロリース」に注目だ。