──まず、禁煙外来とは。

秋本先生　飲み薬、貼り薬といった補助手段を使って、禁煙のサポートをします。自分だけで取り組むよりもラクに禁煙でき、条件を満たせば保険診療が可能です。※右条件を参照

──診療の期間や費用は。

秋本先生　保険診療の期間は12週間のプログラムで、初回から２週間後、４週間後、８週間後、12週間後の５回の通院が必要です。初回は保険診療の適用かどうかを調べ、それ以後は呼気に含まれる一酸化炭素濃度をチェックしたり、カウンセリングをしたりという流れです。保険診療の費用は５回の通院と薬代で、貼り薬を使った場合は１２０００円程、飲み薬の場合は１８０００〜２００００円程です。

──飲み薬、貼り薬といった補助手段について具体的に教えてください。

秋本先生　飲み薬の「チャンピックス」は、それに含まれるニコチン類似物質が脳のニコチン受容体に結合し、快感物質が出なくなる薬です。その結果タバコがおいしいと感じられなくなり、禁煙につながります。なお最初の１週間は服薬しながら喫煙も可です。貼り薬は皮膚からニコチンを摂取するパッチで、段々と小さなものにしてニコチンを摂取しない状態に体を慣らします。

──飲み薬と貼り薬のどちらかを選ぶ基準は。

秋本先生　大きなポイントは車の運転をするかどうかです。飲み薬には、眠気やめまいなどの副作用が報告されているので、運転をする人には処方できないことになっています。一般に飲み薬の方が効果があるとされていますが、貼り薬でも、初期段階でニコチンガムを併用するなどの工夫をすれば、飲み薬に近い効果が得られます。

──禁煙外来での成功率は。

秋本先生　12週目の最後の診療で、本人の申告と呼気中の一酸化炭素濃度がノンスモーカーレベルであった場合を禁煙成功としています。平成25年度の秋本病院禁煙外来成功率は、途中で脱落した人まで含めると68％、最後までプログラムを終えた人で８割強といったところです。

──とても高い成功率ですね。

秋本先生　禁煙外来にいらっしゃる時点で、禁煙へのしっかりとした動機があることが大切ですが 、「禁煙外来に通っている」ということが、タバコを吸いたくなった時の抑止力になるようです。かなり意志の強い方なら、自分だけで禁煙できると思いますが、禁煙外来で診療を受ければ、それよりずっとラクに禁煙できると思います。「こんなにラクに禁煙できるなら、もっと早く来ていればよかった」とおっしゃる方も多いですよ。