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HOME > 2020年3月号 エリア特集「飯倉」

福岡市早良区飯倉(行政区画上は1丁目は城南区、2から8丁目が早良区)は、商業施設がにぎわう原通り、今宿新道、早良街道にほど近い好アクセスと利便性が魅力のエリアだ。今回は、菅原道真公を祀る「飯倉神社」と「飯倉遺跡群」を紹介する。

菅原道真公を祀る飯倉神社

 

南の油山から緩やかに下る丘陵があり、今でこそ丘陵の西麓を通る国道263号線(早良街道)沿いに商店などが並んでいるが、本来の集落は丘陵の上にあった。飯倉2丁目に飯倉神社(福岡市早良区飯倉2丁目16-3)があるが、この地はかつて飯倉山といわれ、付近の道端には江戸時代に建立された庚申塔もあり、地域の人々が庚申祭で集まり、飲食を共にしていた。

 

飯倉神社の御祭神は菅原道真公。由緒書きによると、学問をもってなる名誉ある家門に生まれ朝廷に仕えられたが不幸にして藤原氏のねたみをうけ延喜元年(西暦901年)太宰府に左遷され此の地などで過されたことに因み、土御門天皇の建仁元年2月(西暦1201年)に飯倉神社は創立された。「飯倉」とは、景行天皇時代(西暦127年)、全国に屯倉(みやけ:全国に設置した直轄地)を置かれたことにより飯倉の地名が生まれ、その地名を冠して飯倉神社と名付けられたと伝えられている。

 

 

 

 

 

飯倉遺跡群

 

早良平野は、福岡平野と糸島平野の間に位置する平野で、平野の中央には室見川が流れ、河川の沖積作用によって形成された。大小河川の発達した早良平野ではさまざまな台地や微高地が存在し、その上には多くの遺跡があり、その中でも特に著名なものの一つとして有田遺跡群がある。

 

早良平野の東側は油山から伸びる飯倉丘陵によって、福岡平野と画される。飯倉丘陵は標高10〜30メートル程の低丘陵で、丘陵上には多くの遺跡が営まれている。この飯倉丘陵上に存在する遺跡の総称が「飯倉遺跡群」で、先述の有田遺跡群の東側1.5キロメートルという近接した位置に存在している。

 

飯倉丘陵から西油山の西麓を中心とする早良平野東縁は、「(七隈原には)古き塚多し。窟あり。」や「野芥村に石窟廿五所有。國俗は鬼塚と云。」、「西油山には鬼塚とて石窟廿許あり。」などと、貝原益軒の『筑前國續風土記』に記され、多くの遺跡が古くから知られていた。早良平野での本格的な発掘調査は、1967(昭和42)年の有田遺跡の調査に始まり、開発にともなう緊急発掘調査の増加とともに旧石器時代から中世まで多くの遺跡が知られるようになった。

 

 

 

 

飯倉丘陵は長さ3.5キロメートル、幅0.5キロメートル程の丘陵であり、その上を占地する飯倉遺跡群もその範囲は狭長なものとなっている。飯倉丘陵は小河川の開析作用によって、いくつかの舌状台地に分岐しているため、その地勢を勘案して飯倉遺跡群はA〜Hの8群に分けた把握がされている。

 

飯倉遺跡群では、各時代にわたる遺跡が発見されている。旧石器時代(E・F・G遺跡)、縄文時代(E・G遺跡)に始まり、弥生時代には集落(A・C・D遺跡)、墓地(E・G・H遺跡)と本格的な遺跡の形成が始まる。なかでも甕棺墓より出土した細形銅剣(飯倉唐木遺跡)、D遺跡の住居址内より出土した銅鏡鋳型は特筆すべきものだ。古墳時代には集落(A・D・F・G遺跡)のほか、いくつかの古墳が丘陵状に散在する(飯倉古墳群)。この後も古代〜中世にかけて集落(C・F遺跡)、墓地(E遺跡)、そして製鉄址(G遺跡)が検出されている。

 

旧石器時代から人々の営みが続いてきた飯倉。近世は早良郡飯蔵村で福岡御城下近郊の農村として栄え、今はベッドタウンに様変わりしている。

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