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HOME > 2018年6月号 エリア特集「祖原」

福岡市立西新小学校校区(西新・城西・曙など)おょび、福岡市立高取小学校校区(高取・祖原・昭代など)におよぶ西新エリア。その中でも高度な都市機能を備え、副都心の利便を享受しながら、美しい四季や緑を身近に感じられる自然環境が魅力となっているのが「祖原」だ。今回は、春には満開の桜が迎えてくれる「祖原公園」で知ることができる元寇の歴史を紹介する。

憩いの場になった元寇の古戦場跡

 

福岡市早良区の祖原公園は、丘陵を活かした起伏のある公園で、頂上からは街並みや福岡タワーも見えるなど、見晴らしもよく地域住民の憩いの場として親しまれている。新緑の季節はとても美しく、春には満開の桜が咲き乱れる花見の穴場的スポットになっている。

 

元寇の際には、古戦場のひとつとなった祖原公園内には、元冦の碑が2つ建っている。まず一つ目は、個人(石田清氏)によって建立されたもので、黒御影石で「元冦麁原戦跡」と刻まれたもの(上写真)。裏には、「この地麁原山は、初度の元冦文永11年(1274)10月20日に早良川から百道にかけて上陸した元軍の有力な一部隊の本陣となった。〜中略〜 博多湾に浮かぶ能古・志賀島や西戸崎の海陸は弘安4年(1281)再度の役に東路軍がわが軍の猛攻をうけてついに壱岐へ退去するにいたった古戦場である」と記されている。

 

二つ目は、在郷軍人会西新分会が建立したもので、御影石の角柱に「元冦遺跡」と大きく刻まれたものだ(右写真)。

 

この辺りで繰り広げられた元寇の実戦の様子は、肥前の竹崎季長(すえなが)の『蒙古襲来絵詞』で知ることができる。

 

「元軍は赤坂陣を駈落されて(おいおとされ)、二手と成て大勢はすすはら(麁原=祖原)に向けて引く(逃げた)。肥後勢は別府のつか原(中津原)に(逃げて)鳥飼の汐干潟で大勢に成合む(合流しよう)と引く(逃げるの)を追かけ、云々」(『蒙古襲来絵詞』より)

 

 

鳥飼潟の戦い

 

福岡市中央区鳥飼3丁目にある埴安(はにやす)神社には、伝承によると「塩屋の松でつくった社号額」(右写真)が掛かっているが、それは蒙古襲来絵詞で黒馬に乗った竹崎季長(すえなが)の後ろにある松だという。

 

「モンゴル軍が麁原(祖原)から来て鳥飼潟の塩屋の松の下で合戦となった」と蒙古襲来絵詞に書かれているが、この「塩屋」という名称が中央区鳥飼1丁目と城南区鳥飼4・5丁目の間を流れる樋井川に架かる「塩屋橋」として残っている。塩屋橋の南側の旧町名は、塩屋町であり、かつて塩をつくる小屋が並んでいた。この辺りは当時、干潟であり、元寇(文永の役)の一大合戦「鳥飼潟の戦い」の舞台だった。

 

鎌倉時代に起こった2度にわたるモンゴル帝国・高麗連合軍による日本侵攻、その1度目の襲来が1274年(文永11年・至元11年)の文永の役だ。

 

銅羅や太鼓の音を合図に機動的に進軍する集団戦法や火薬兵器、毒矢、弩、投石器などの武器で瞬く間に対馬・壱岐を侵攻し、肥前沿岸に襲来、博多湾に上陸した元軍。一方、日本軍は博多の息浜(おきのはま)に集結して、元軍を迎撃しようと待ち受けていた。そんな中、肥後の御家人・菊池武房の軍勢が、上陸した早良郡の百道原より約3キロメートル東の赤坂の松林のなかに陣を敷いた元軍を襲撃(赤坂の戦い)し、元軍は麁原へと敗走。本隊に合流しようと鳥飼潟を通って逃れようとした元軍を、肥後の御家人・竹崎季長ら日本軍が追撃するも、馬が干潟に足を取られ、元軍小勢を取り逃がしてしまう。

 

麁原一帯に陣を敷き、ひしめき合う元軍に対し竹崎季長は、援軍を待てとの郎党の制止も聞き入れず、「弓箭(きゅうせん)の道は先駆けを以って賞とす。ただ駆けよ」と先駆けを決行。元軍も麁原から鳥飼潟に向けて前進し、鳥飼潟の塩屋の松の下で衝突することになる。

 

竹崎季長主従は、元軍の矢を受けて負傷するなど危機的状況に陥ったが、豊後、肥前、肥後、筑後等、九州各地から後続の参戦があり、日本軍が総力を挙げた激戦となった結果、元軍は鳥飼潟において日本軍に敗れ、百道原へと敗走した。

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