「先進的モデル都市づくり」が進むアイランドシティ

 

福岡市東区の人工島・アイランドシティでは、国際物流拠点の形成を図るとともに、環境と共生した住空間の形成や、医療関連施設等の集積を活かした共創のまちづくりなど、「先進的モデル都市づくり」が進められている。

 

1994年に事業着手したアイランドシティの「みなとづくりエリア」では、2003年9月に供用を開始した「Ｃ１国際コンテナターミナル」がフル稼働しており、港湾関連用地では2016年2月に青果市場「ベジフルスタジアム」が開場し、物流機能の強化が進んでいる。

 

一方、2005年にまちびらきした「まちづくりエリア」では、照葉のまちにおいて2005年12月から入居が始まり、現在では8604人、2836世帯が暮らしている（2017年9月現在）。2016年3月には初となるショッピングモール「アトレアモール照葉」が開業するなど、都市機能がさらに充実。現在は、注目されている福岡市総合体育館や西鉄の新たなまちづくり、アイランドシティへの自動車専用道路整備などが始まっている。

 

 

注目の施設や新たなまちづくりが進行中

 

アイランドシティセンター地区で建設中の福岡市総合体育館は、現在の市民体育館、九電記念体育館の後継施設として、市民のスポーツ拠点となる新たな体育館の機能を持つ施設だ。地上４階建、建築面積約1万7000平方メートルで、西日本最大級となる収容観客数5042席のメインアリーナ（興行利用）とサブアリーナ（一般利用）、武道場、弓道場、トレーニング室、キッズルームなどが設置される。2018年秋の開館を予定しており、15年間の運営費込みの総事業費は約148億円としている。

 

同施設の西側の約7.5ヘクタールでは、総事業費約203億円の商業・宿泊の複合施設の計画もある。商業施設の「（仮称）ぐりんモール」、宿泊施設（地上14階建て約400室）、駐車場（一般1000台、バス20台）の商業・宿泊の複合施設で、モールには、物販店、飲食店のほか、和の体験施設など、京都の町屋をイメージした空間に日本・九州を代表する様々なコンテンツを導入。照葉のまちのコンセプトに合わせ、商業施設はオープンモール形式とし、憩いの場として利用可能な商業施設を目指すとしており、2019年度の開業を予定している。

 

センター地区に立地するまちづくりの核施設として今後のまちづくりに寄与することが期待されるほか、福岡市内の各施設や機能をバス等の活用により都市高速等でつなぎ、ＭＩＣＥネットワークを形成することを目指している。

 

西鉄グループが総合力を結集したまちづくり「高齢社会対応型健康ネクストタウン」の建設も始まっている。場所は、アイランドシティ中央公園の西側で、「照葉スパリゾート」と「福岡市立こども病院」にはさまれた約4.1ヘクタールで、多世代がつながる安心･高質の住環境とバス交通拠点が一体となったまちとなる計画だ。

 

現在、分譲マンションの「アイランドシティセンターマークスタワー（2019年2月竣工予定）」が建設中で、最終的には、地上46階建て290戸のタワーマンション2棟のほか、シニアマンション、コミュニティーセンターを設置し、様々なライフステージの方が集い、つながる多世代コミュニティを創出する。西鉄は、「周辺医療･福祉機関と連携した健康管理･増進サポートや介護サービス、託児所の設置による子育て支援などの充実したライフサポートの提供や同エリア内での住み替えができる仕組みづくりなどのタウンマネジメントを行う」としており、全体の完成は2020年3月を予定している。

 

また、北側に隣接するエリアでは、24時間営業の総合ディスカウントスーパー「（仮称）スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」が建設中で、こちらは2018年2月に開業予定だ。

 

マンションや戸建住宅のほか、近年では商業・娯楽施設などの開発が相次ぎ、都市機能の拡充が進むアイランドシティでは、先進の都市空間と美しく整備された自然豊かな住環境から、着実に人口が増加。児童の割合が多いことから照葉小中学校の北側に2019年には新設小学校が開校することも決まっている。また、ホテルや西日本最大級のアリーナを備える体育館や自動車専用道路の整備によって、人の流れが変わり、今後は、ＭＩＣＥなど福岡市の東の拠点としての役割も大きくなっていくことになりそうだ。