HOME > 2017年8月号 エリア特集「別府・六本松」
別府橋通り(国道202号)沿い、樋井川を挟んで隣接する中央区六本松と城南区別府。かつて文教区として栄えた「六本松」と、その機を逃さずに耕地を整理し、南北に通じる新道を開墾し、住宅地として発展してきた「別府」。六本松で九大六本松キャンパス跡地の再開発が進むなか、生まれ変わる先進のまちを満喫できる住宅地として別府が再び注目されている。
媒体概要
東経リビング
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まちの姿が見え始めた九大六本松キャンパス跡地
多くの利便施設が並ぶ別府橋通り(国道202号)沿いにあり、樋井川を挟んで隣接する「六本松」と「別府」。このエリアは都心との程よい距離感にありながら、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、医療施設や公共施設などの暮らしに必要な施設が充実し、利便性と快適性を両立する住環境がある。
都心へのアクセスは、地下鉄七隈線「天神南」駅まで「六本松」駅から約8分、「別府」駅から約9分と通勤はもちろんショッピングも快適で、地下鉄延伸工事が完了(2020年度予定)すれば、博多駅までダイレクトにアクセスできるようになる。
注目を集めているのが、いよいよまちの姿を見せ始めた九大六本松キャンパス跡地で進行中の再開発だ。現在、地下鉄「六本松」駅前の西街区の複合施設では、新しいグルメショップなどが先行オープンし、すでににぎわいと活気が生まれている。今秋には東街区で福岡市科学館が入る複合施設「六本松421」がオープンし、人気のスーパー「ボンラパス」や九州最大規模となる「蔦屋書店」、医療施設などが誕生予定だ。
また、街並みを彩る並木道や市民の憩いの場となる公園も着々と整備されており、かつての九州大学の初等教育の場は福岡都市圏のグリーンベルトの一部として人々が集い、寛ぐことができる緑豊かな景観のまちへと生まれ変わっていく。
四通八達の碑
別府1丁目9-39に「別府天満宮」がある。鳥飼神社の古文書によれば、鳥飼八幡宮の摂末社で、菅原道真公とともに埴安神を祀っている。
大昔から「天神の森」と呼ばれ、清浄な神域として住民に崇め親しまれた場所で、境内には福岡市の保存樹に指定されている大樹が6本あり、児童広場になっている。5月5日の「こどもの日」には、鳥飼八幡宮の宮司を招いて、子供の健康と安全を祈願する神事が行なわれている。
境内には、「四通八達の碑」が建っているが、別府1丁目の別府団地入口の角に建っていたのを移されたもので、1920(大正9)年にこの付近(旧鳥飼村字別府)の道路改修工事が行われ、その竣工を記念したものだ。
この碑には、「別府の地は鳥飼の一部にして福岡市外の僻地にある。大正8年に鳥飼邨(むら)を福岡市に編入し、高等学校(九州大学教養部)が(六本松に)新設され、ようやくこの地が発展する兆しがみえてきた。ところがここの道路は東西に走る幹線(現国道202号)があるのみで、他の道はみな細く、しかも高低・屈曲して交通の便が悪い。里人は之を良しとせず、有志で相談して耕地を整理し、南北に通ずる新道を開墾し、この地を発展させようとした」といったことが刻まれている。
また、碑文の冒頭には、「世運の進否は一に交通の利不利にあり。故に一郷の繁栄を期せんと欲せば道路の四通八達を以て要とす」とある。
現在では、住宅地が広がり、地下鉄も通る別府。碑に刻まれた「これからの発展を願う」という人々の想いが、今につながっている。生まれ変わる六本松とその先進のまちを満喫できる別府に改めて注目したい。
【樋井川筑肥橋】
別府橋のすぐ南にある樋井川筑肥橋は、かつての国鉄筑肥線の鉄橋に代わって架けられた橋。橋の欄干には蒸気機関車の動輪のモニュメントが並び、親柱には線路がかたどられている。
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