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HOME > 掲載記事(福岡) > 2017年6月号 明治維新150年に向けて盛り上がる鹿児島

来年2018年は明治維新150年の節目の年にあたる。政府をはじめ、あらゆる地方自治体で明治維新150年に向けたプロジェクトが実施されているが、維新のふるさと・鹿児島では、NHK大河ドラマが「西郷(せご)どん」に決まったこともあり、観光客の増加による大きな経済効果が期待され、盛り上がりを見せている。

2018年のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」は、林真理子さん原作、中園ミホさん脚本で、明治維新の功労者・西郷隆盛を鈴木亮平さんが演じ、多様な人間ドラマと男女関係、現代の問題に通じる物語が女性の目を通して描かれる。鹿児島を舞台にした大河ドラマは2008年の「篤姫」以来10年ぶりで、明治維新150年の節目の年ということもあり、ゆかりの深い鹿児島ではさまざまな期待の声が相次いでいる。

 

過去の大河ドラマは鹿児島に観光客を呼び込み、大きな経済効果をもたらした。九州経済研究所によれば、西郷隆盛と大久保利通が主役の1990年の「翔ぶが如く」では183億円、「篤姫」では262億円と試算している。今回の「西郷どん」では、明治維新150年と重なることでの相乗効果も期待されている。

 

明治維新150年に向けたプロジェクトは政府をはじめ、あらゆる地方自治体で実施されているが、鹿児島市では2012年より、「明治維新150年カウントダウン事業」として、明治維新までの激動の時代を歩んできた薩摩藩の足跡を振り返るイベントなど、さまざまな取り組みを実施している。

 

市民や青少年に郷土の歴史に対する理解と関心を深めてもらう機会として実施しており、郷土「鹿児島」に対する誇りと愛着を醸成し、次代を担う青少年を育成するとともに、明治維新に至る歴史をストーリー性をもったPR素材として県内外に情報発信していくことによっての観光振興をはじめとした地域経済の活性化が目的だ。

 

明治維新の原動力となった薩摩藩は、1862(文久2)年に横浜で起きた生麦事件に端を発した翌年の薩英戦争により、西洋の軍事力・科学技術のすさまじさと、攘夷の困難さを知り、西洋文明の吸収に努めるとともに、江戸幕府打倒に向けて大きく動き始めた。そして、誰もが知る西郷隆盛や大久保利通など、多くの偉人を輩出した。

 

鹿児島は、それら偉人のゆかりの地など、明治維新と関わりのある数多くの歴史資源に恵まれている。2015年には、「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録され、旧集成館機械工場や旧鹿児島紡績所技師館などが再注目された。また、「西郷どん」で描かれるエピソードをきっかけに、これまでに全国で知られていない新たな人気観光スポットが生まれるかもしれない。

 

既に新しい観光スポット、観光拠点として期待されている施設もある。鹿児島市加治屋町の市立病院跡地に2018年1月オープン予定の「西郷どん・大河ドラマ館」だ。撮影スポットの紹介や、劇中で使われる衣装の展示など、ドラマの世界観を体験できる施設で、その年の大河ドラマにゆかりが深いまちに毎年設置されており、これまでに30年以上の歴史がある。

 

2008年の「篤姫館」では、想定の30万人を大きく超える当時歴代最多67万人が訪れ、当初は1年間の開館予定を3カ月間延長するほどの人気となった。そして、「篤姫」の放映は、経済効果はもとより観光ボランティアガイドの誕生や育成、まち歩きルートの選定、明治維新を中心に薩摩藩や日本の歴史についての資料館「維新ふるさと館」周辺の整備や「鹿児島まち歩き観光ステーション」の設置などにつながった。

 

明治維新150年に加え、大河ドラマと2018年に向けて追い風が吹く鹿児島では、この機運を逃さないために、観光客の受け入れ態勢の整備や積極的な情報発信など、地域をあげた取り組みが盛り上がってきている。

 

大切なのは、一過性のブームで終わらせないための策を講じるとともに、ブームが去ってしまった後にも残る「おもてなしの心」「郷土に対する誇り」「郷土の魅力を発信する力」など、ソフト面での観光資源をこの機会に醸成することではないだろうか。

 

 

 

鹿児島市の中心部で大きな再開発

 

鹿児島市の中心部では今後、大きな再開発が進められる。今回は、その中から鹿児島市交通局跡地再開発の「キ・ラ・メ・キ テラス」、鹿児島中央駅東口の「中央町19・20番街区市街地再開発」、鹿児島最大の繁華街・天文館エリアでの「天文館千日町1・4番街区市街地再開発」を紹介する。

 

 

総事業費500億円規模の鹿児島市交通局跡地再開発

キ・ラ・メ・キ テラス

 

JR鹿児島中央駅から1.5キロにある高麗町43の1の電車通り側用地、敷地面積約2.45ヘクタールの鹿児島市交通局跡地の売却提案公募で、南国殖産ら4者で構成する共同事業体が優先交渉権を得て、2016年2月に開発のスケジュールなどが発表された複合施設「キ・ラ・メ・キ テラス」。概算事業費は用地費を含め約500億円の大規模再開発だ。

 

キ・ラ・メ・キ テラスは、「ヘルスケア」「観光・新産業」「住居」の3ゾーンで構成される。ヘルスケアゾーンには、救急患者に対応している今給黎総合病院、長期間の入院などを提供する高田病院が移転する。新病院の規模は今給黎総合病院が9階建て延べ2万9200平方メートル(約450床)、高田病院が8階建て延べ1万2000平方メートル(約179床)。

 

観光・新産業ゾーンは、10階建て延べ2万1128平方メートルのサービス系施設、13階建て延べ1万9600平方メートルのホテル、6階建て延べ5400平方メートルのスポーツクラブ・温浴施設で構成される。住居ゾーンには、21階建て延べ1万0800平方メートル、130戸の分譲マンションを計画している。住居ゾーンは2018年度末、ヘルスケアゾーンと観光・新産業ゾーンは2019年度の完成を目指している。

 

 

鹿児島の玄関口に高さ約100メートルのビル

中央町19 ・ 20番街区市街地再開発

 

2016年3月に特定業務代行者を南国殖産グループ(南国殖産を代表に、三菱地所レジデンス、大京、穴吹工務店、三菱地所設計、東条設計、竹中工務店で構成)に決定している鹿児島中央駅東口にある商店街の一画、中央町19・20番街区市街地の再開発では、鹿児島の玄関口に免震構造のRC造地上24階地下1階建てで高さ約100メートルの複合ビルが計画されている。

 

事業計画案によると総事業費は約222億円。延べ4万7000平方メートルの再開発ビルの地下1階には60台の住宅用駐車施設、1階から7階には商業・業務・ホール、7階から24階に住宅210戸を配置する。2018年3月にに着工し、2020年10月の完成を予定している。

 

また、鹿児島中央駅西口では、JR九州が鹿児島・宮崎県の主要駅を再開発する「南九州開発プロジェクト」で、自社用地8500平方メートルに商業施設やオフィスなどが入る9階建てのビルや別棟にマンション・立体駐車場などを建設するとしている。2020年春に完成予定となっており、鹿児島中央駅周辺の再開発をめぐる動きに注目が集まっている。

 

 

天文館エリアの中心に地上110メートル最高層ビル

千日町1・4番街区市街地再開発

 

天文館エリアの中心では千日町1・4番街区の再開発が行われる。対象エリアは、天文館アーケード街の入り口に位置し、電車通りに面する商業施設「タカプラ」を中心とする合計で約6000平方メートルのL字型の敷地だ。

 

計画では、商業・飲食施設、ホテル、300人から500人収容のコンベンションなどの機能が複合するRC造24階建て延べ約3万9000平方メートルの大型再開発ビルが建設される。高層階には城山観光ホテルが運営するホテルが入り、最上階24階には展望台が設けられる。

 

完成予定は2020年。地上約110メートルの鹿児島で一番の高層ビルになる予定で、天文館に昔のにぎわいを取り戻す起爆剤になる商業施設となることが期待されている。

 

 

 

 

 

 

 

明治維新150周年カウントダウン事業をPRするとともに、明治維新の原動力となった薩摩の歴史や、それを育んだ鹿児島市の多彩な魅力を広く発信していくために鹿児島市が作成したロゴマーク

 

名刺をはじめ、商品パッケージ、チラシ・パンフレット、看板、のぼり等、様々なものに使うことができる。デザインは、パターンや色の種類があり、ロゴマークを入れるスペースや印刷の都合等に応じて、使用するデザインを選べる。

 

また、鹿児島市内に限らず県内外に事務所や支店を有する団体・企業等が使用する場合、「市」を省いた“維新のふるさと鹿児島”のパターンを選ぶこともできる。

※ロゴマーク等を使用するには、鹿児島市に届出書を提出する必要があります。

 

【ロゴマーク使用に関するお問い合わせ・届出書の提出先】

鹿児島市観光プロモーション課推進係

〒892-8677 鹿児島市山下町11-1

電話099-216-1344 / FAX 099-216-1320

E-mail:kan-suishin@city.kagoshima.lg.jp

http://www.meijiishin150countdown.com/logo/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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