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地方創生の先駆的な事業を目指す

 

鹿児島市交通局本局の施設老朽化対策や施設設備の機能見直しを図り、2015年5月に電車部門がＪＴ鹿児島工場跡地（鹿児島市上荒田町）へ鹿児島市立病院と共に移転（バス部門は2015年10月に新栄町と浜町に分散移転）したことで生まれた鹿児島市交通局跡地。

 

ＪＲ鹿児島中央駅から1.5キロにある高麗町43の1の電車通り側用地、敷地面積約2.45ヘクタールのこの地がどのように活用されるか注目が集まる中、2016年2月に開発スケジュールなどが発表されたのが複合施設「キ・ラ・メ・キ テラス」だ。

 

開発を手がけるのは4者で構成する共同事業体で、九州において都市開発事業やエネルギー関連事業をはじめ様々な事業を展開する南国殖産株式会社を幹事会社とし、鹿児島における急性期医療を担ってきた公益財団法人 昭和会、鹿児島市や姶良市でも慢性期医療を担ってきた医療法人 玉昌会、そして、個性あるスポーツジムやリラクゼーションを全国展開する株式会社ロックスが互いに相乗効果を発揮し、本事業をすすめる。概算事業費は用地費を含め約500億円で、コンサルティング業務は三菱地所設計が担当する。

 

南国殖産の永山在紀社長は、「コンパクトシティを目指す鹿児島の地方創生の先駆的な事業になる」と意気込みを語っている。

 

 

世代を超えて、いきいきと生涯かがやくまち

 

「30年後の鹿児島に向けた未来への贈り物」。それがまちづくり全体のコンセプトだ。今、生まれたての子が親になり、小学生は働き盛り、働き盛りはシニアの世代になる。そんな30年後の未来に向けて、都市マスタープラン、土地利用ガイドライン、鹿児島市総合戦略（素案）「つくる　かなえる　みがく　つなぐ」と目標を共有し、世代を超えて、いきいきと生涯かがやくまちづくりを目指している。

 

キ・ラ・メ・キ テラスは、「ヘルスケア」「観光・新産業」「住居」の3ゾーンで構成される。

 

ヘルスケアゾーンには、昭和会が救急患者に対応している今給黎総合病院、玉昌会が長期間の入院などを提供する高田病院をそれぞれ移転。緊急や重篤な患者を受け入れる急性期病院と、慢性期病院の連携を目指す。新病院の規模は今給黎総合病院が9階建て延べ2万9200平方メートル（約450床）、高田病院が8階建て延べ1万2000平方メートル（約179床）で、2019年度の完成を予定している。

 

観光・新産業ゾーンは、10階建て延べ2万1128平方メートルのサービス系施設、13階建て延べ1万9600平方メートルのホテル、株式会社ロックスが運営する6階建て延べ5400平方メートルのスポーツクラブ・温浴施設で構成（いずれも2019年度の完成予定）。滞在型ホテルの新設で観光産業の振興と拡大をサポートすると共に、インターネット社会と共に発展してきたコールセンターなどの新産業に適したフロアのあるビルを新設することで企業誘致における競争力を高め、雇用の拡大による活力の創造を目指す。

 

キ・ラ・メ・キ　テラスのグランドオープンは2020年3月（予定）で、近隣の旧鹿児島市立病院跡地には、都市公園が整備される計画もあり、鹿児島の明るい未来をつくる第一歩となる新しいまちと、甲突川河畔がつなぐ都市公園までの自然の景色がこのエリア一帯の新しい魅力となりそうだ。