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HOME > 2016年12月号 FUKUOKA Smart EAST

福岡市では、九州・日本全体の中で役割を果たしていくため、また、持続可能なまちをつくっていくために、福岡を次のステージに引き上げる「FUKUOKA NEXT」として様々なプロジェクトを展開している。そして今、東エリアで新しいまちづくりプロジェクトが始まっている。それが様々な「スマート」をエリア全体に重ねることで、このエリアを世界一のスマートシティにしていくプロジェクト「FUKUOKA Smart EAST」だ。

世界最先端のスマートシティを目指す

 

福岡市と九州大学は、東区の九州大学箱崎キャンパス跡地活用にあたり、世界の先進的な事例を参考にしながらIT(情報技術)などを使った「スマートシティ」を目指す方針を発表している。そして福岡市は、同じく市内東エリアに位置するアイランドシティでの取り組みと合わせて、導入技術の研究や民間企業との連携を進めたスマートシティづくりを「FUKUOKA Smart EAST」として推進するとしている。

 

このプロジェクトは、福岡を次のステージに引き上げるチャレンジである「FUKUOKA NEXT」の一部であり、天神地区で規制緩和によって今後10年間で30棟のビルの建て替えを促す「天神ビッグバン」、ウォーターフロント地区でのクルーズ船の受け入れ、にぎわいの創出、MICEの振興を一体的に進めていく「ウォーターフロントネクスト」に続くプロジェクトとなる。目指すのは、九州大学箱崎キャンパス跡地とアイランドシティといった福岡市の東エリアを世界最先端のスマートシティにすることだ。

 

高島市長はこのプロジェクトのキックオフイベントである「FUKUOKA NEXT 都市革新フォーラム」の開催記者会見において、「福岡市は、税収も上がり、新しいビジネスも生まれ、チャレンジしようというエネルギーにあふれている。また、国家戦略特区であり、新しいテクノロジーを使おうという時に、規制緩和の枠組みを持っており、その意志もある。福岡、箱崎には、ここでしかできない条件が揃っている」と述べた。

 

アイランドシティにおいては、ICTを用いたまちづくり、CO2ゼロ街区、エネルギーの見える化が実装されている。そして、これからプロジェクトが進められる箱崎エリア(九州大学箱崎キャンパス跡地)は、地権者のほとんどが九州大学であり、約50ヘクタールの広大なエリアをまとめてグランドデザインができる。さらに地下鉄、JRの三つの駅に囲まれ、都市高速道路の入口が近く、空港も近いという交通利便性もあり、これまで以上に自由な発想で、まちづくりができるポテンシャルを持っている。

 

 

既成概念にとらわれず新しい価値をつくる

 

このプロジェクトにおいて、特に注目されるのが、まちづくりの基礎となる都市インフラの部分だ。

 

スマートシティとは、先進的なインフラとソリューションを利用し、経済、社会、環境に関わる課題に対応するためのより良いサービスを提供するもので、これまでの既成概念にとらわれず新しい価値をつくることに価値がある。

 

AIやIoT、ビッグデータなどを活用し、労働生産性を上げることやモノづくりの高度化といった産業構造の転換による成長戦略である「第4次産業革命」が議論されているが、新しい便利なものやビジネスモデルができたからといって、それが社会実装できるかはまた別の話だ。

 

しかし、約50ヘクタールという広大なエリアの中で、規制緩和の枠組みを使った先進技術導入などを前提としてまち全体をつくり込めるのであれば、後付けのスマートシティよりも効率的にそれが実現できるというのも確かだろう。

 

九州大学箱崎キャンパス跡地においては、地域住民や「箱崎キャンパス跡地利用協議会」などによってゾーニングの方向性ができて来ているが、それとは別に、まちの基盤を全体としてつくっていくのがこのプロジェクトの要になる。

 

※現在、九州大学では、各地のキャンパスを福岡市西区と糸島市にまたがる新キャンパス「伊都キャンパス」へと統合移転させるプロジェクトを進めている。六本松キャンパスについては、2009年10月に移転が完了。箱崎キャンパスについては、2018年度に移転が完了する予定だ。

 

 

九大箱崎キャンパス跡地で新しい価値をつくれるか

 

エネルギー、環境、セキュリティ、モビリティなど、エリア全体の基準となるまちづくりのベースとなる都市インフラをどのようなものにするかという方向性が、これから本格的に検討される。福岡市は、世界経済フォーラム(ダボス会議)のレポート「トップ10の都市革新」にある事例を参考に、九州大学箱崎キャンパス跡地に様々な「スマート」を実装する方針を発表している。

 

このレポートを編集した唯一の日本人である森 俊子氏(ハーバード大学大学院 教授)は、「これらの事例には、未使用空間の解放、ピークをなくす、小規模なインフラの検討、住人に配慮したイノベーションという4つの共通点がある。また、福岡市は紹介した10の事例の6つについてすでに実装可能な環境がある」と福岡市のスマートシティづくりにおけるポテンシャルについて述べている。

 

歴史ある九州大学箱崎キャンパス跡地が、今後どのように生まれ変わるのか、そして、福岡市がスマートシティを実装し、アジアのリーダー都市を体現した都市となれるか。これから始まる新しいまちづくりによって生まれる新しい価値に期待したい。

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