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HOME > 2016年11月号 「九州新幹線」が全線開業して5年 ─ 福岡と鹿児島へ与えた影響は?

全線開業から5年が経った九州新幹線。所要時間の短縮や新たな旅客流動の創出に加えて、二次交通や観光地の選択、通勤通学といった生活、駅周辺開発にともなう商業中心地など、変化は様々な分野に及んでいる。今回、東経リビング2016年11月号(今号)が特別号として鹿児島市内でも配布されるにあたって、九州新幹線が福岡と鹿児島へ与えた影響を見ていきたい。

九州を南北に結ぶ大動脈「九州新幹線」

 

2004年3月、新八代─鹿児島中央駅間で部分開業し、2011年3月12日に博多─鹿児島中央駅間で全線開業した九州新幹線。所要時間は博多─熊本駅間が最速で全線開業前の1時間13分から33分に、博多─鹿児島中央駅間が2時間12分から1時間17分に短縮した。また、山陽新幹線直通の「みずほ」「さくら」運行によって、時間距離の短縮は新大阪以西全体におよび、新大阪─熊本間は3時間57分から2時間58分に、新大阪─鹿児島間は5時間2分から3時間42分に縮まった。

 

2015年度の博多―熊本駅間の輸送人員は1日平均7万7000人で前年度に比べて3%増。熊本─鹿児島中央駅間は1万3900人で2%増となった。いずれも九州新幹線全線開業前の2010年度の1.5倍に増大している。

 

九州を南北に貫く大動脈が交流人口を増やし、沿線住民の暮らし、地域の経済に大きな影響を与えたのは言うまでもないが、今回は福岡と鹿児島に的を絞って、九州新幹線がもたらした影響を見ていきたい。

 

鹿児島中央駅一帯は天文館に匹敵する商業エリアに

 

2004年の部分開業に合わせて、JR九州は100億円を投じて鹿児島中央駅一帯を整備、当時としては九州最大の駅ビル「アミュプラザ鹿児島」を建設した。2014年には10周年に合わせて、駅舎本屋に直結する東急ハンズなどが出店する新館「プレミアム館」がオープンしている。

 

アミュプラザ鹿児島は、単なる駅ビルという枠を超えて鹿児島経済圏に多大な刺激や変革を与え、新幹線の開業をきっかけに同駅周辺は、約1.5キロメートル東にある鹿児島市の繁華街・天文館地区に匹敵する商業エリアに成長した。

 

観光面においては、山陽新幹線沿線など県外から多くの観光客が流入する一方、購買力の流出がほとんど見られなかったことから、地元では「新幹線が良い効果をもたらした」という評価が一般的だ。

 

そのほかの影響では、鹿児島市から福岡市が日帰り圏内となったことで、経済関連のセミナーやビジネス交流の機会が広がった。九州新幹線を中心に強まった各地域の一体感がもたらした影響も見逃せない。2015年10月には、地方銀行の肥後銀行(熊本県)と鹿児島銀行が経営統合。もともと交流があったとはいえ、九州新幹線の全線開業によって熊本・鹿児島両県の一体感が強まったことで統合ムードが加速したとの見方も多い。

 

かつての活気を取り戻した博多駅周辺

 

2011年3月の九州新幹線全線開業に合わせて博多駅ビルをリニューアルして誕生した「JR博多シティ」もまた周辺地区の開発を加速させた。博多駅周辺は企業、金融機関などの事務所が高度集積するオフィス街である反面、大型商業施設がほとんどなかったが、2016年4月には隣接する博多駅前の再開発エリアで日本郵便の商業ビル「KITTE博多(博多マルイ)」とJR九州・日本郵便共同の複合オフィスビル「JRJP博多ビル」が相次いでオープンし、商業エリアとして急速に発展している。

 

福岡市は、天神地区と博多駅地区が互いに刺激を受けながら発展し、今は天神、次は博多という具合に相乗効果の中で、より良い都市づくりが行われてきた。今現在では、JR博多シティ開業以来、博多駅周辺が人の賑わいを含め勢いがあり、開業5周年を迎えたJR博多シティでは、2015年度の売上高が1000億円を超え、増収を続けている。

 

博多駅周辺はかつての活気を取り戻しているが、九州新幹線の全線開業とJR博多シティ開業が起爆剤となったことは明らかだ。人の流れが活発になれば、新たな市場が生じ、ビジネスチャンスが広がる。福岡市では、都市の発展の大きな流れをつくり出すことになった。

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