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【西戸崎エリア特集】

天神・博多を生活圏にできるリゾート・レクレーション地域

海と緑に挟まれた自然溢れる西戸崎エリア。福岡市中心部から約20㎞の距離にあり、福岡市営渡船を利用すればベイサイドプレイスまで約15分。もちろんJR・西鉄バスもありますが、天神・博多まで最も早いのは福岡市営渡船「きんいん」です。市営渡船が到着したらバス停にバスが待っていますので、スムーズに乗り換えができます。そんな天神・博多を生活圏にでき、福岡市内でありながら離島感覚、リゾート感覚を味わえる西戸崎での暮らしは、このエリアならではのとても贅沢なものと言えるかもしれません。今回は、そんな「西戸崎」の歴史を振り返ります。

●離島感覚・リゾート感覚で暮らせるまち

 

 志賀島と九州本土とを繋ぐ陸繋砂州(りくけいさす)「海の中道」。全長約8キロメートル、最大幅約2.5キロメートルのこの巨大な砂州の北は玄界灘、南は博多湾となっています。砂州の幅は狭いところでは500メートルを切るところもあり、先端部の志賀島との間のおよそ1キロメートルは砂州の幅が特に狭くなり、満潮時には一部が海水で区切られることがあるため道切(みちきれ、満切)と呼ばれ、橋がかけられています。

 海の中道は、国営の海の中道海浜公園を核に、リゾートホテルやゴルフ場を擁する一大レクリエーション地域として発展していますが、その西部に位置し、人々の生活の場となっているのが、現在、約2700世帯、人口約6000人(平成25年9月現在)が暮らす西戸崎エリアです。

 

●鉄道が開いたまち

 

 玄界灘と博多湾からの風と潮流によってできた大砂嘴(さし)地帯である西戸崎エリアは、大嶽神社がある大嶽(標高43.6メートル)と小嶽を除くとほとんどが平地となっています。

 歴史的に見ると、このエリアは砂地のために志賀島地区に比べ発展が遅く、6世紀後半(古墳時代)に海の中道で製塩を営む人々が集落をなしたのが始まりで、その後、魚介類や海藻類を採取する人が細々と暮らしていたようです。またその頃に、志賀宮(現在の志賀海神社)の末社として大嶽神社が祀られ、大岳古墳(横穴式石室)が残されています。

 この不毛の地からの脱却は、江戸時代初期(1660年代)に加藤弥左衛門成昌が砂地に土を入れて松の植林に成功し、長い年月をかけ白砂青松の地に変貌して以来であり、その後は住民数も増えています。ただ、それでも明治初期で14戸だったということです。

 この地の大きな発展のきっかけとなったのは、一本の鉄道です。1904年1月、石炭積出港として博多湾の中で比較的水深の深い西戸崎に白羽の矢が立ち、明治37年に西戸崎から須恵の間に博多湾鉄道(現在のJR香椎線)が敷設(後に宇美まで延長)されました。

 さらに1912年にはライジングサン石油会社(英国系、現在のシェル石油)の油槽所が設置され、1926年には博多港運輸会社の設立。1937年には西戸崎炭鉱の開鉱(1964年閉山)などもあって移住者が急増し、この地区は急激に発展しました。

 西戸崎港の築港は、総費用130万円(当時)の5カ年計画による大工事であり、須恵町にあった海軍炭鉱からの艦船用燃料炭の積み出し(主に佐世保海軍基地へ)を期して企画されたものです。1932年時点での石炭積出料(博多港運輸)は年間43.4万トン(内海軍炭36万トン)、石油出荷量(ライジングサン石油)は年間5.7万トンであり、年間100〜150隻の大型船が入出港していたことになります。

 昭和時代には艦船用の燃料は重油が主体になりますが、艦艇は主に蒸気タービン駆動のために重油・石炭の混燃であり、西戸崎港は海軍石炭積出港として第二次世界大戦末まで活躍しました。その後、民需による石炭積出・石炭輸送は、燃料事情の変遷から1960年までには衰退することになります。

 

●きっかけは基地返還

 

 大戦後には、西戸崎東北部はキャンプ地として米軍により接収され、「ブレディ・エア・ベース」および「キャンプ・ハカタ」となります。そして、基地の他に米軍人・家族のハウスやその他の施設が立ち並ぶ異国情緒ある風景が形成されるようになります。ただし、この地を通過するには検問があり、住民に不便を強いることにもなりました。

 基地司令部が現在のホテル「ザ・ルイガンズ.」(旧海ノ中道ホテル)周辺にあったことから、近隣の和白村には基地関係労働者が多く住んで人口も急増。朝鮮戦争ではこれらの基地が米軍の重要な補給基地となっています。

 基地返還(1972年)後の跡地には、1981年に国内では珍しい建設省(当時)直轄の「海の中道海浜公園(総面積540ヘクタール)が開設され、福岡市民や近隣住民に楽しい憩いの場へと変貌を遂げていきます。またこれに続き、マリンワールド(水族館)や大岳地区の2カ所のゴルフ場、ヨットハーバーなどを加え、西戸崎は現在の一大レクレーション地区に変わってきたのです。

大嶽神社

西戸崎神社

福岡市東区大岳3丁目24-10

航海安全、風に関するご利益、風邪平癒、商売繁盛、五穀豊穣のご利益があると言われている。参道の「階段ダッシュ」はホークスの新人合同自主トレの恒例となっている。

福岡市東区西戸崎4丁目8-31

西戸崎神社(右)の祭神は大国主命、素盞鳴命、神功皇后の御三体。境内にある恵比須神社(左)は、西戸崎の夫婦円満・商売繁盛・開運の神。

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●「電車をきれいにしたい」〜受け継がれる高校生のゴミ拾い〜

 

JR西戸崎駅を利用して通学・通勤する人々の中に、降車時に必ず同じ行動をとる人たちがいます。時間はまちまちですが、自分たちが乗ってきた2両編成の車内を回ってゴミを拾うのです。

 

 JR西戸崎駅の改札口の上にある時計の下には「2007年シチズン・オブ・ザ・イヤー受賞記念」との文字があります。「シチズン・オブ・ザ・イヤー」とは、精密・電子機器メーカーの「シチズン」が、社名の「CITIZEN(市民)」にちなみ、市民に感動を与え、市民社会の発展や幸せ・魅力づくりに貢献した市民を選び、毎年顕彰する制度です。

 西戸崎駅は西戸崎線(海の中道線)の終点で、折り返しの始発にもなる駅ですから、ホームに電車が到着すると全員電車から降りるのが普通ですが、車内にはすぐに降りようとしない人たちがいます。それぞれが鞄の中からビニール袋を取り出して、おもむろに車内に落ちているゴミを拾い始めるのです。つまり、乗客が自分の乗ってきた電車の中を、自ら清掃します。

 この車内清掃はひとりの女子高生から始まりました。やがてそれが妹に引き継がれ、香椎線で通学する高校生の中に、「自分たちも…」とゴミを拾う仲間が1人、2人と増えていきます。いつしかそれは、通う高校は違えど皆が地元の同じ中学を卒業した同級生の6人グループになりました。

 駅に勤める職員たちは、ある日それを知って驚きます。すぐに彼女たちに声をかけ感謝の言葉を伝え、通学する高校へお礼の気持ちを伝えたいと、通っている高校を尋ねますが、彼女たちは「自分たちが勝手にやっていることですから」と高校名を名乗ることはなかったといいます。※2006年10月にJR九州から彼女達が通う高校へ感謝状が贈られています。

 その後も、さらに駅員たちを驚かせることが起きます。車内の清掃を始めた6人が高校を卒業した後も高校生の自発的な清掃が途絶えることはなかったからです。高校を卒業後も続ける人や男子高校生も含め、多い時には60人の若者たちが、終着駅・西戸崎に着いた電車の中で清掃をしていたそうで、この活動は今も続いています。

 先に紹介した開札口の上にある時計は「シチズン・オブ・ザ・イヤー」の100万円の副賞の代りに高校生である彼女達に贈られたものです。西戸崎駅を利用することがあれば、是非、ご覧ください。

●西戸崎エリアの施設をご紹介

海の中道 海辺の里

福岡市東区大岳4丁目3−123

海の中道エリアを中心とした地域の産直・飲食・アウトレット。営業時間 9:30~18:00

西戸崎渡船場

福岡市東区西戸崎1丁目91-56

福岡市営渡船「きんいん」を利用すれば、ベイサイドプレイス博多までわずか15分。離島のフェリーターミナルのような雰囲気。

JR西戸崎駅

福岡市東区西戸崎1丁目2-36

駅前は小規模なパチンコ店や雑貨店、飲食店等があり、近年はリゾート分譲マンションも幾つか供給されている。

乗馬クラブクレイン福岡

福岡市東区西戸崎1丁目1-7

西戸崎渡船場に隣接する乗馬クラブ。潮風に吹かれながら乗馬を楽しめる。室内馬場があり、雨天でも乗馬可能。

マリンワールド海の中道

福岡市東区西戸崎18-28

「対馬暖流」をテーマに熱帯から温帯、寒帯の魚350種類20,000点を暮らしぶりそのままに見ることができる。

左:サンシャインプール

右:ワンダーワールド(遊園地)

国営公園 海の中道海浜公園内(福岡市東区西戸崎18-25)

“緑の樹林”“碧い海”“輝く太陽”がテーマの海の中道海浜公園では、花・動物・遊具・スポーツ・サイクリング・プール(季節限定)・バーベキュー(季節限定)・工作・ボランティア活動などが楽しめる。写真提供:福岡市

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