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西新エリア特集

●利便性を備える文教地区 ─「学生街」「住宅街」住みたい街

 

 西新は文教地区であることや利便性・住環境の良さから、マスコミや不動産会社による「福岡市で住みたい街」ランキングなどで度々上位に入るほど、「住みたい街」として非常に人気が高いエリアだ。福岡市の中心である天神の西側、早良区北部に位置し、早良区内のみならず、福岡市西部においては最大の繁華街が展開する。

 地元では、行政区分の町名から拡大され、概ね福岡市立西新小学校校区(西新・城西・曙など)及び、福岡市立高取小学校校区(高取・祖原・昭代など)までが「西新」と認識され、公務員官舎や転勤族向けの賃貸マンションも集中していることから、「転勤族の街」とも呼ばれる。

 西新が「町」として栄えはじめたのは、江戸時代のこと。現在は高取1丁目にある紅葉八幡宮が、西新に遷宮されたことが大きな契機だといわれている。

 元々、橋本村(現・西区橋本)にあり、黒田藩3代目光之候の氏神で、寛文6(1666)年に、城下に近く御参拝に便利の良い西新の地に遷宮され、西新は門前町として栄えた。明治末に電車(北筑軌道)が境内を横切り、大正2年、町が一望できる現在の地、高取に遷宮されている。電車が通ったことで、西新の発展にはずみがついたのは言うまでもない。

 西新の魅力と言えば、人、店、文化だが、そのなかでも通称「西新商店街」の活気ある雰囲気が、この街を象徴している。唐津街道に沿って今川橋から藤崎駅までの東西約1・4㎞に形成されているこの商店街は、オレンジ通り商店街、西新中央商店街、中西商店街、高取商店街、藤崎商店街という5つの商店街が連なっている。なかでも「リヤカー部隊」で有名な西新中央商店街では、威勢のいい声が飛び交っている。

 午後1時。野菜やくだもの、花、漬け物…それぞれに自慢の品物を乗せたリヤカー部隊が、西新商店街に続々と並び出す。品物はどれも、糸島や背振、唐津など、福岡近郊でとれた旬のもので、地のモノが手に入るのはもちろん、活気のあるおばちゃんたちとのやりとりも、魅力のひとつだ。

 リヤカー部隊は戦前に農家の奥さんや子どもが、自分の家でとれたものを積んで、西新を売り歩いていたのがはじまりで、一時は100台を超えるほどのリヤカーが出ていたという。昭和42年には、通行の問題で警察との話し合いになり、「西新行商組合」がつくられ、営業許可制度の制定や出店時間などの取り決めがされている。

 「西新名物」と呼ばれるほど親しまれているリヤカーの数は、現在20数台ほどとなっているが、リヤカー部隊は今や西新はもとより、福岡の観光名所の一つとなっていて、週末には県外などの遠方から訪れる人や外国人観光客も珍しくない。

 

 

 平日の午後3時を過ぎる頃、西新の街は授業を終えた学生たちで、ひと際にぎやかになる。西新のもう一つの顔といえば、「ペンと鉛筆」で表された地下鉄のシンボルマークにもある通り、学生の街としての側面だ。

 文教地区として知られ、修猷館高校や西南学院大学をはじめ、周辺には小中学校も多く、子育てや教育がしやすいことが「住みたい街」としての人気につながっている。

 「学生の町、西新」の歴史は、幕末時代にまで遡る。この地域には幕末から明治にかけて、多くの下級武士たちが住んでいたことから私塾が増えたのが始まりで、なかでも滝田紫城の私塾「折中塾」は、自由民権運動の先駆者であり、後に玄洋社をおこした頭山満らを輩出している。1900年には旧藩校の修猷館が、さらに1918年には西南学院が大名から西新へ移転。1917年には修猷館に同居する形で福岡中学校も創立されている。

 なかでも西南学院は、1947年に新制中学校、1948年に同高等学校を開設。1949年には新制大学として西南学院大学が開設し、今では小学校や幼稚園、保育所を合わせて、約1万人の学生・生徒・園児が学ぶ総合学園へと発展し、西新を文教地区たらしめる存在となっている。

 西南学院大学内には、文教地区としての長い歴史を感じられる施設がある。大正初期に建てられたレンガ造りの建物としては珍しい3階建てで、福岡市の有形文化財に指定されている「西南学院大学博物館」だ。

 また、西新公民館前の西新公園内には、頭山満が植えた楠の木が残っている。高さ約15メートル、幹周り約3メートルの大きな楠の木で、頭山が11歳の時に指の大きさほどの苗木を「楠木正成のような人になりたい」との願いを込めて、生家の庭に植えたものだという。

 西新の文教地区としての歴史は幕末まで遡るほど長く、今も昔も学生達にとって、この街はかけがえのない青春の場所になっている。そして、学生達は西新の街に、人の熱さや温かさを教えられ、西新の街はその学生達の存在によって活気を持ち続けているに違いない。

紅葉八幡宮

西新商店街のリヤカー部隊

福岡市早良区高取1丁目26-55

その名の通り境内にはモミジの木が多く、境内地の内、2000余坪を紅葉山公園としている。秋にはモミジが真っ赤に色づき、訪れる人の目を楽しませている。左写真は紅葉八幡宮のモミジ。

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西南学院大学

福岡市早良区西新6丁目2-92

下写真は西南学院大学博物館。西洋建築の古典様式であるジョージアン・コロニアルスタイルを基調とした赤レンガ造り三階建て。設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズが行なった。2004年3月に「西南学院旧本館・講堂」として福岡市指定有形文化財に指定されている。

福岡県立修猷館高等学校

福岡市早良区西新6丁目1-10

特に校訓・校則を定めない自由闊達な校風。生徒による大幅な自治が認められている。

サザエさん発案の地(磯野広場)

福岡市早良区西新6丁目

西新6丁目の磯野広場には、「サザエさん発案の地」の陶板が設置されている。これは同漫画の原作者・長谷川町子が東京から疎開していた1944年から1946年まで現在の西新3丁目に住んでおり、百道の海岸を散歩しながら、サザエ、カツオ、ワカメ等の登場人物を考案したことに由来している。当時は西新北側のシーサイドももちが埋め立てられていなかったため、西新のすぐそばに海岸線があった。1992年、町子さんは72歳で世を去り,2ヶ月後に漫画家として初の国民栄誉賞が贈られている。

祖原公園(元寇麁原戦跡)

福岡市早良区昭代1丁目7

鎌倉時代の中頃、文永11(1274)年10月、当時大陸を支配していたモンゴル帝国(元)とそれに服従した高麗王国の連合軍は、日本を侵略するため、朝鮮半島を出航する(文永の役)。対馬、壱岐、平戸島、鷹島、能古島に襲来した元軍は、博多湾に現れ、今津、百道原に上陸。これを迎え撃った日本軍は、赤坂、鳥飼の一帯で元軍と交戦し、元軍は麁原(現在の祖原)に陣を構える。その後、元軍は侵攻を断念して日本から撤退。この文永の役後、鎌倉幕府は、再度の元の襲来に備えて石築地(元寇防塁)の築造をすすめ、弘安4(1281)年5月、再び日本に襲来した元軍を退ける(弘安の役)。祖原山は、こうした元寇の記憶を今に伝える大切な役割を担っている。

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